優しい奥さんのお話しです。
事実経過
- 夜10時ころ、爺は、散歩に出かけました。糞害調査、たばこ吸殻回収などです
- 出発時、奥さんに、散歩に行ってくることを伝えました
- 夜10時40分頃、玄関前に帰着
- 玄関戸に手をかけるが、開かない
- 鍵をかけたか、しょうがないな、ま、安全のためだしね、と思う
- 鍵を回すが開かない
- 不思議に思う爺。回し加減が十分でないのかと、数回やってみるがダメ
- もしや、と思い、二つ目の鍵穴に鍵を差し込み回す
- 戸を引くと、開いた~
- 「私、ボォ-ツとしていた」と奥さんの声が聞こえる
感想
第10項の妻の発言には同意できない。「ボォーツ」としていたのではなく、しっかりしていたので、この際爺を締めだししようとしたのではないか。
心のどこかにある核心部分が無意識のうちか、はっきり意識してかはともかく、「締め出し」という暴挙に出たのではないか…。
いや、優しい奥さんのことだ。もしかして、爺が窮地に追い込まれても、ちゃんと自力で生還できるか確認したのかもしれない。
危うく、玄関前にうずくまって膝小僧を抱え一夜を明かさないといけないかと思ったのですが、どういうわけか、外出時ポケットにはたいがい鍵が入っているという…。
奥さんといると、イロイロ生活の知恵というか、危機管理というか、ボケ防止というか、ボーッとできないとか、シッカリ用意してないと亭主の座も鍵ひとつでアウトになりかねないというか、あれこれ楽しい毎日が続くのであります。
あ~もしかして本当に爺は「不要家族」か…。ええ、土屋教授いうところの…。
- 作者: 土屋賢二
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