モノいうタイミングというのはなかなかむずかしいものです。同じことを言ってもタイミングというか状況によって浮かび上がる光景は全く違ってきます。
本日のオコトバは「よそ見しないで」です。
よそ見しないで:子どもたちが小学生ぐらいまでの頃
ご飯をこぼしたり、集中力がないときの子どもをあいてに奥さんが「よそ見しないで」と言えば、まあ、注意し、今なすべきことを指し示す、良き母であろうとする姿が浮かびます。
よそ見しないで:新婚のころか恋人同士だったころ
子どもが家庭の中心になる前、または結婚前に奥さんから「よそ見しないで」などといわれたら、「ワタシだけを見つめてて」ということか、「こらっ、ヨソの別嬪に目を奪われるような、不埒なことをするな」のどちらか…。あなた、どっちの光景が浮かびました?
よそ見しないで:還暦もすぎ、朝食の時に言われた
今朝、奥さんから「よそ見しないで」と言われたです。もしかして新婚のころのパターンかと思い「ワタシだけを見つめてて」ということか、「こらっ、ヨソの別嬪に目を奪われるような、不埒なことをするな」のどちらか…アタフタしたです。
テレビでは、美女が大写しになっているわけでもないし、少し考え…奥さんが今更「ワタシだけを…」などと可愛いことを言うはずも…。
いや待て、心になにか期するものでもあったのだろうか…。土曜日・神戸、月曜日・和気鵜飼谷温泉、と出かけてブリがつき、引き続きどこかに連れて行けという前触れなのか、とドギマギした爺でした…。耳だけが適当に聴いたふりをしている爺であります。
「もう…」というから、言わなくてもわかってほしい、ひょっとして甘えているのか…いや、そんなはずは。長年そんな話は、いや現実は目の前で起こっていない。
「ほんとに…」と続いたので、切実なのだろうかと、テレビを見るのをあきらめ奥さんを見た。
あれ、妻の目は爺の方を見ている。
スッと手が伸びてくる…イヤ・マテ、ココロの準備がこんな朝っぱらから…。
手が伸びて人差指で突っついた先には、テレビを見ている間にスプーンからこぼれたヨーグルトが、今朝タンスから引っ張り出したシャツにベタリとついていた。
「もう…だらしない、ヨーグルトなんか落としして」
「ほんとに…注意力散漫で、子ども以下なんだから」
などというような流れなんだろうと、やっとわかった爺でありました。
よそ見しないで:あとに何をつけるか
まあ、笑い話のようなことが起こるネタの宝庫、ウチの優しい奥さんの今朝のネタでありました。
さて、…。