ずいぶん前の印刷所の方の話です。およそつぎのようなことでした。
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Wordで作ったファイル(デジタルデータ)を印刷版下として入稿された。めんどうなので断りたいけど、断ったらあとの仕事が無いので断れない。しかし、できあがりは希望通りの結果にならないことが多い。
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現在は、どうか知りません。また、ネット上ではWordなどの入稿を自信をもって受け付けている印刷所もあるようです。
一般家庭のパソコンで作成したファイルが、プロの印刷所で再現できないことがある、というのがTAKAも昔、とっても不思議でした。お付き合いがすすみ、色々印刷所から教えていただくことで経験値も上がり、およそこれなら大丈夫という見通しを持つまでに、いくらかの期間がかかったような記憶があります。
ある程度わかればなんでもないことなのですが、画像の「解像度」、「色」の原理、同一フォントの有無、などの理解がポイントでしょうか。
印刷用画像の解像度
「DPI」という単位がよくつかわれます。1インチ(≒2.54cm)にいくつの点密度で情報を表示しているかと…。PC画面であれば、72DPIとか96DPIなどというのをご覧になったことがあるのではないでしょうか。
これに対し、印刷の場合に解像度は、300DPIとか350DPI、美術印刷になるとさらに…などという世界のようです。
PC画面と印刷用画像の関係がよくわからないという方のために「とりあえず、作りたいサイズの5倍の大きさで作って下さい!」というようなことで、結果オーライの状態を実現したほうが、説明をわかってもらうより手っ取り早い、というところもあるようです。
色:印刷はCMYK、画面はRGB
自宅PCを操作し、プリントしてみたら、色のずれ、というようなことが気になったことはありませんでしょうか。色の扱い方の違いは、プロの印刷所だけのことではなく、実は家庭用プリンタでも実際には起こっているのです。ところが、家庭用プリンタの技術というのはたいしたもので、CMYKとRGBの変換を実に巧みにやっていますね…。ところが、印刷所ではそれほどうまくいかない事情もあるようです…。
そもそも「色再現域」がCMYKとRGBは異なるので、印刷用にCMYKへ変換するとどこかに無理が生じ、元の色とことなった印刷物になる可能性がある、ということにもなってしまいます。
フォントが無いと代替される、レイアウトが崩れたり…
みなさんもご経験があるでしょうか、メールで送られてきたWordファイルを開いたら、なにやらレイアウトが崩れていた…というようなことが。Wordのバージョンによっても起こる可能性がありそうですが、受信側PCに添付ファイルでもともと使われていたフォントが無かった、というのが原因になって、表示が崩れる、ということはわりとありそうです。同様のことは、印刷所とのあいだでも発生します。
Illustrator作業では、「文字はアウトライン」というのがほぼ鉄則のようです。これは、フォントがなくてもほぼ元通り再現できる文字をある種の画像に変換してエラーがおこらないようする方法です。
Word、Excel、PowePointなどマイクロソフトのOffice製品では、CMYKで色を扱う、というメニューは無いようです。また、印刷版下として比較的汎用性の高い「PDF/X-1a」形式での書き出しがOffice製品には採用されてないようです。Word2013を見たら画像解像度を印刷用に保つ(設定は220ppi)という機能はありました~。
パワポやワードで作成したものを自宅で印刷してみたらOKだったので、印刷版下をしてファイルを入稿したが、できあがりが…思ったような結果にならなかった、というようなことがないように、色々対策や研究が必要なのかと思ったりするTAKAでありました。
TAKAは、Word、Excel、PowePointなどを印刷所に版下としてお届けする、ということはありません。Wordであれば、WordについているPDF作成機能を使う場合は、標準PDFでファイル保存(書き出し)し、それをInDesignに貼り付け「PDF/X-1a」形式で保存。さらにそれを、Acrobatプリフライトで、エラーが無いかチェック、という流れです。WordからAcrobat(Distiller)を使って保存(書き出し)し、プリフライトでチェック、ということもできそうです。いずれも、Acrobatを使っているかどうかというところがポイントです。あ、Adobe Readerではないですよ~。
さて…さて…。