「武器としての交渉思考 (星海社新書)」(瀧本哲史著、2012年6月発行)を読みました。
「交渉」というと相手を言い負かすとか、騙すとかいうようなイメージがありがちですが、そうでもないことがわかりました。
爺は、労働組合で交渉に関する経験があります。弱い組合でも、なんとか言論・論理を武器にして相手に「ウン」と言わせようと頑張っていた時期がありました。なかなかそれが実を結ばなかったのは、組織力量だけでないということも少しわかりました。
古い世代の爺にとっては、この本全体をOKという気にはならないのですが、読んでいて、なるほどと思わされることはいくつもありました。実は爺、現在、普段疎遠になっているところにアプローチをかけているのです。いえ、商売がらみというようなものでなく、自分自身の生きざまを担保しても、今言わねばならないこと、相手方にわかってもらいたいことがある、という状況なのです。
これまでの爺であれば、なぜ爺がそうなったのか理由を説明し、だから、こうしたらどうか、という直線的な話をしていたのであろうと思うのです。今回、この本を読んで思ったことは、そこに相手の利益、相手が重要だと考えていることを実現するのに役立つ提案、というスタイルを足してみようと考えました。
正しいことを言っても、相手が硬直し、「じゃあ自分(相手)が悪いのか」と自問・自省させるようなことだけになっては、相手の正常な反応は期待できないのだろうと、思ったのです。まあ、そのためのテーブルが用意できるかどうかが目下の懸案なのですが、ともあれ、相手が重要と考えることをフォローするということと、爺が考えることで重なるところが拡大されるよう、ちょっと「交渉」を通じて考えてみたいものだと…。
- 作者: 瀧本哲史
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2012/06/26
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