10月23日投票の、東京10区、福岡6区の衆議院補欠選挙で、「野党共闘」は当選という結果に至りませんでした。
10月20日、山口二郎先生がtwitterでお吠えになられた
tweetの魚拓[写真上]
山口二郎 @260yamaguchi 10月20日
20年この方、民主党ー民進党を対抗勢力に育て、政権交代を起こしたいと念願して、あらゆる非難中傷をやり過ごして、論陣を張ってきた。しかし、それももう無理かと思う昨日今日。自党の候補を応援してくれる人にありがとうを言えない連中は、即刻政治家を辞めるべきだ。何様のつもりなんだ。
投票より前の段階で、野党共闘にそれなりにチカラを発揮してきた学者が民進党(のおそらく一部の勢力)に対して「(略)自党の候補を応援してくれる人にありがとうを言えない連中は、即刻政治家を辞めるべきだ。(略)」とtweetしたのに驚きました。
具体的なことがtweetされてないので、なにか特段の事件でもあったのだろうけど、という程度に一応気に留めていました。
IWJ、22日に伝える「スクープ!!衆院補選東京10区(略)」
(略)「競いあっている」とは言っても、先の新潟県知事選で、市民が野党共闘して支えた米山隆一氏が劇的な逆転勝利をおさめたのとは対照的に、補選では野党候補の劣勢が伝えられている。
新潟県知事選との違いは、その理由は誰の目にも明らかである。民進党を除く野党3党(共産、自由、社民)が共闘して闘った新潟県知事選と違い、補選では東京、福岡ともに野党間で政策協定も結んでおらず、野党3党も候補者への推薦を出していない。つまり、事実上民進党が単独で擁立した候補者なのである。
これは民進党が独自候補の擁立にこだわったためだが、民進党候補が他の野党と協力することなく単独で自公候補と渡り合えるというのであれば、衆参の両院で3分の2以上の議席を改憲勢力に明け渡すような惨状は招いていなかっただろう。
なぜ民進党は野党共闘に二の足を踏むのか。かたくなに「野党共闘」を拒んでいるのは誰なのか。鍵を握っているのは、民進党の最大の支持母体「連合」である。(略)
10月23日、小池晃書記局長が都内で会見
衆院補選結果について
このなかで、共産党の小池書記局長は「(略)東京10区での4野党による合同街頭演説会(20日、池袋駅前)に民進党の鈴木庸介候補本人が参加しなかったことについて、主催した市民団体「TeNネットワーク2016」が21日の声明で「くりかえしの要請にもかかわらず、鈴木ようすけ候補は参加されませんでした」と抗議していると指摘。小池氏は「4野党党首クラスがそろうのだから、そこに候補者がきてほしいというのは当然だ。こういう要請があったにもかかわらず、候補者を出席させなかったという対応をしたわけで、これは協力して選挙に臨むという姿勢とはいえない」と批判しました。」と述べているのが注目されます。
発言に何か関係があるのかな
別々に出てきた情報なので、直接関連付ける根拠を爺は持ち合わせていません。以下、爺の考えです。
東京10区での4野党党首クラスの合同演説会は20日で、山口氏がtweetしたのも同日。時間の前後関係がわからないので、ふたつの関係は不明…。
演説会主催者側の市民団体は、くりかえし合同演説会への民進党候補者の参加を要請したが、出席はなかった。4野党党首クラスが参加して民進党候補を応援しようというのだから、それなりの対応があってしかるべき、まして「市民団体」からの要請が軸ということで断る理由もなさそうだ、と爺には見えます。民進党の応対はどうも儀礼的にも勝利しようということからしても、あまり褒められたものじゃなさそうだとみえます。
民進は、「自民一強」にどう対抗し、市民の声を実現する
(略)
選挙の構図を見れば、東京10区では自民党東京都連には若狭氏擁立に対する反発がくすぶっていたし、福岡6区はしこりが残りかねない保守分裂選挙だ。民進、共産、自由、社民の4野党が一枚岩になれば、付け入る隙が全くなかったわけではなかった。
共産党が両区で公認候補を取り下げたことで、民進党に候補者が一本化された。だが、独自性にこだわる民進党は他の3党からの推薦を拒み、政策協定も結ばなかったことから、きしみを生じた。
有権者には、その場しのぎで数合わせの野党共闘のように映ったのではないか。
とりわけ目立ったのは、代表としての国政選挙初陣で「選挙の顔」として期待された蓮舫氏のちぐはぐぶりだ。
自主投票で臨んだ新潟県知事選では、終盤に現地入りして野党系候補の応援マイクを握ったのに、補選では4野党がそろった合同演説会に姿を見せなかった。共産党との共闘に対して批判的な支持団体、連合に配慮したという。
しかし、単独で勝てるほど体力がないことは、補選の結果が証明している。「自民一強」に対抗するには、野党共闘は避けては通れない道。野党4党が結集できるような、与党と明確に異なる対立軸を模索していくべきだ。
その意味では、野党系が原発再稼働を最大の争点にして競り勝った新潟県知事選や、参院選で5勝した東北の1人区での戦い方から学ぶべきところは多いのではないか。
3野党の民進党に対する不信感は高まっており、蓮舫代表のかじ取りは一段と難しくなった。代表としての資質も問われかねない。まずは政策の擦り合わせを急ぐべきだ。
「野党は共闘」の前途は
最大野党の「民進党」は、「野党は共闘」の声に背を向けるのか、前向きに進むのか、問われています。
新潟知事選挙では、米山候補が劇的勝利を、野党と市民のチカラでかちとりました。東京10区と福岡6区は、独自性にこだわり結果は議席に届かない…。
野党と市民が真剣にチカラとココロをあわせて頑張るかどうか、アベ政治を何とかしたいと頑張るかどうか、一番試されているのが「民進党」と呼ばれる政党のようです。
新潟知事選挙の構図と結果、あわせて衆議院東京10区の構図と結果を見たら、「連合」など民進党の屋台骨は、名実ともにそうとうな劣化とみえます。これを超える勢いで新潟知事選挙でチカラを発揮したのが野党共闘と市民ではなかったのかと…。