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写真集の印刷立会い

昨日午後は珍しい経験をしました。

先日までPCで調整を繰り返していた「写真集」のファイルをベースに、いよいよ本番印刷だ、ということで、印刷所に出かけてきました。

印刷所では、枚葉式印刷機(平板印刷機)が動いておりました。写真集ですから、紙も高価なものです。何頁かをまとめてA1サイズに印刷するのですが、微妙な色調整を何回かおこなっていよいよ本番印刷、という流れです。

本番の印刷にこれまでも立ち会ったことはありますが、今回はなかなかに濃い内容でした。微妙な発色の違いを制御する、ある意味神経戦のような作業でした。作成者(今回は著作者の代理としてTAKA)、発行元(書店)、印刷所の3者ができるだけ納得して本番刷りにすすもうという…。

印刷所の平板印刷機は、デジタル的に制御しているのですが、色を調整するには、経験や勘などいわゆる職人技が必要なのだと実感しました。

A1横置きだと約84cm。印刷用のそれはいわゆる「ノビ」サイズなんでしょうね、90cm超はあるのだと思うのですが、横長に置いた状態で、長辺をおよそ30カ所くらいの帯に分割した状態で色を管理・調整する、という作業です。印刷の方向に沿ってCMYKのインクの盛り具合を変えることで、人間の目に見える色が変化する、という…。

で、TAKAは著作者の写真を長く見ている経験値をもとに、最初の印刷の状態ですでにOKなのでありますが、印刷機のオペレータ、書店の編集長ともに、さらに良くしようと努力するわけです。一回本番前のテスト刷りをするとインクがオペレーションどおりになるには何十枚も捨て刷りが必要みたいです。これを多い時は5回も繰り返しOKになる1セット…。ある意味、ロスの多い作業だとも思いました。

特定の花の部分を調整する、というのは機械の性格上できませぬ。今回だと印刷用紙の進行方向には2ページ分があるので、同じ調整ゾーンに写真が複数ある時は相互の関係にも配慮が必要だということになります。逆に他に影響を受けるものがないと結果的に狙った箇所のみに調整を加えることができる、ということになります。横置きの左右方向とのギャップが目立ってもいけませんし、やはりそれはそれ、職人の仕事なのだろうと思います。インクの乗り具合も、室温や印刷機の熱によっても影響を受けるし、刷った時と一晩寝かせた後の色は異なるのだとも教えていただきました。まあ、TAKAのような者にとっては同じにしか見えない、微妙かつ繊細なことなのだろうと妄想しますが…。


何頁かを配置した刷り版を使って印刷機で紙に印刷します。後の折り、切断、など製本手順を前提とした「面付け」をして印刷用の製版というか刷り版を用意し、それを印刷機にセットし印刷する、という一連の流れですネ。この「面付け」の知識があると印刷調整しやすい頁構成を実現できることになります。今回もそうですが、TAKAはInDesignで頁物を作業し、単頁か見開きかどちらかでファイルを作るところまでです。面付けして入稿することはありません。そういう意味では、印刷所での調整作業を拝見したのは、今後にずいぶんと良い刺激をいただいたことになります。

昨日は、64頁の片面が印刷済みになりました。本日は、その片面印刷済みの用紙の裏側を印刷する予定です。

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上の写真はその刷ったA1サイズのままのが並んでいるんですけど、ボケています。出版前ですので悪しからず…。